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2013年05月12日

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022

    

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記                 
                        -022




サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022




 ようやく長く続いた乾燥注意報も昨日で途切れました。一晩中の大雨。
これで畑の農作物も一息ついたようなところでしょうか。

貝の採集は五月初旬にかけての前半戦を終わりました。
生の貝や殻に石灰が付着した貝殻は、漂白剤の液に浸しておいてありましたが、
順次処理が終わったものもあります。今回はその中から一部ご紹介しましょう。



           NHK の放送から掲載
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



先ず貝殻といったら、<タカラガイ>です。 NHKで放送された中で、紹介されたタカラガイ。
残念ながら<ナンヨウダカラ>しか、手元にはありません。残りの5種類は珍品な名物ばかりです。

下のケースには
<ホシキヌタ>、<ヤクシマダカラ>、<タルダカラ>、<クチムラサキ>、<ナツメモドキ>、<チャイロキヌタ>
<ウキダカラ>、<ハナビラダカラ>、<チドリダカラ>、<シラタマガイ>等が見えます。
生貝の採取でないので、余り良いものはありません。磨耗が進んでおります。


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022




下のタカラガイは過去に手に入れたものです。右上の<タルダカラ>は拾いですが、可なり上等の部類です。
一番下の<ヒメホシダカラ>3個も同様に、砂浜で拾ったものです。偶然でしょう。海が荒れた日の採取です。このような日は磨耗の無い、生貝に近い貝も手に入ります。
中央部に<カノコダカラ>の比較的磨耗の少ない貝が見えます。横には<ナンヨウダカラ>が誇らしげに鎮座しています。
<ナンヨウダカラ>、<ハラダカラ>、<ウミウサギ>はフィリッピン産です。


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



次は<ホシダカラ> 95x65x60 残念ながら磨耗が進んでいます。可なり大きいですが。残念!
下段の<ホシダカラ>は、過去に採取した拾いのもの。殻の上部が若干磨耗あり。残念でした!


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



なかなかこれだけのものは、水中以外では採取が難しいですね。磨耗しやすい貝ですね。

下の貝は太平洋岸で漁師の兄ちゃんが、わざわざ潜って採取してくれた一品。
ガラスのように光か輝いておりました。早速、水槽に入れて・・・長く生きておりましたよ。
殻長は75mm位。 そこそこの大きさ。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022


先回のブログで、<ヤクシマダカラ>と<ムラサキイガレイシ>を子供にプレゼントした話をご紹介しましたが、残った貝はこの通りの磨耗が少しある<ヤクシマダカラ>でした。子供は大喜びでしたから、ま~いいか!

下の<ヤクシマダカラ>は拾いと水中採取の貝です。 綺麗でしょう。 ガラス光沢がたまりませんね。
タカラガイの魅力はここにもありますね。

 
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022


今回残念なのは<ハチジョウダカラ>が一個も無かったことでした。去年から必死で生貝を探しているのですが、見つかりません。災害の赤土の海中への侵入が原因かも? 西南諸島方面は似たような現象があるようです。自然災害か人災か微妙なところです。

以前はこんな素晴らしいのが採取できました。 島の太平洋岸での採取。
このケースは<ハチジョウダカラ>オンリーです。 磨耗貝がたくさん入っております。
<ハチジョウダカラ>はどこへ行ったのでしょうか。

 
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022


次は<アサガオガイ>です。
最近良く目に付くようになりました。
一番大きなので殻径27mm位・・・大きいほうかもしれません。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022


先回もご紹介しました<イボソデガイ>ですが、横に<スイジガイ>の幼貝が見えております。一見して同一種類の貝達であることが分ります。 ソデガイ科・Strombidae 
<クモガイ>、<スイジガイ>、<サソリガイ>、<ノソデガイ>、<ゴホウラ>・・がその仲間。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022

                           
                           
                              icon202 喫茶店でちょっと一服  

  <<貝はどちらへ向いて進むの>> 

 上の写真を見てますと、貝の尖った方を手前に向けているのが多いですね。貝の頭は本当に尖った部分にあるのでしょうか。この置きかたは多分に人間的発想から来るものです。・・・どうして?・・・
下の貝の写真を良くご覧ください。<マガキガイ>の生態を写真に撮影したものです。
貝の触手が貝の殻の窄まったところ・・から見えております。 右に向かって進んでおります。

貝殻の殻頂の方が貝にとっては尻尾で、頭や足は貝殻の窄まった部分にあるのです。 
    
                      
                                        

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



学術書や参考書にはこんな基本的なことが書かれて居りません。水槽で飼ってみてやっと気が付きます。
貝殻を集めて同定し、且つ出来るだけ水槽で飼ったり、水中に潜って生態観察をすることが大事なことが分ります。そうしないと「畳の上の水練」になってしまいます。
筆者のような素人にはとても大事なことだと思っております。 

それからもう一つ。
同系統の貝は外形がかなり違ったように見えても、水管(貝の窄まった部分)付近の形状は非常に似ていることが気が付きます。大雑把に貝のお尻と頭の形状で、ほぼ判別出来るのではないでしょうか。細かい種の同定は無理ですが。

           今までに集めたイボソデガイ
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



上の写真のイボソデガイは加計呂麻島でもそうそう見つけることができません。拾われやすいのかもしれませんし、壊れやすく、磨耗しやすいのですね。 完品はなかなか手に入りません。実際に海中で捕獲するしかないのですね。

本日、最後の貝は先回に引き続いての<シイノミガイ>です。
左右の4個の貝は同じ種類の貝かどうか? 
なかなか難しいのですね。 同じオカミミガイ科・クロヒラシイノミガイ正解でもあるし、そうとは言い切れないところもあるのです。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022     サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022


下の写真はいままで蒐集した<シイノミガイ>ですが、大方が<クロシイノミガイ>なんですが、中には<マダラヒラシイノミガイ>と<クロシイノミガイ>のハーフみたいなのも何個かあります。
この貝は絶滅種に該当するような貝なのですが、DNA上の混血があるようですね。

では何で区別するか。 沖縄のマニアの方の指摘がヒントでした。
殻の上面に付いた皺なのですね。
A- 縦縞模様の皺が無いもの・・貝の表面はクロ、茶、 マダラ模様・・・クロヒラシイノミガイ
B- 縦縞模様の皺が有るもの・・貝の表面にマダラ模様・・・・マダラヒラシイノミガイ
C- AとBのハーフ・・・・・・・ 薄くかすかに貝表面に皺があり、マダラ模様あり・・・???


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



鳥羽水族館のデター・ベース
から拝借してきました。
確かに細かい縦筋が入っておりますね。
最近は分子生物学上の技術である、DNA判定が出来ますので確認してみたいですね。遺伝子上のほんのちょっとの違いからこのような現象が起こるのでしょうか。それにしても貝の歯はリアルですね。
加計呂麻島では特定の浜に転がっており居ります。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-022



今回は以前にご紹介した貝を中心に展開してきました。次回はイモガイや毛色の変わった様々な貝をご紹介します。

 

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Posted by 奄美ちゃん at 12:02│Comments(3)貝採集日記
この記事へのコメント
茜ちゃんさん、こんばんは。

タカラガイコレクション。良いですね。思わずヨダレが出てしまいました。
ナンヨウにハラダカラ。私も欲しい~。

ヒラシイノミ、マダラヒラシイノミもいたんですね。すごいです。
八重山にしかいないのかと思ってましたが、ちゃんと探せばまだあちこちいるかも知れませんね。
ヒラシイノミといえばマングローブですが、いつかマングローブでの貝探し記事も是非見せていただきたいなあと思っております(^_^)。

ところで、記事のなかにNHKの放送の場面が紹介されていましたが、番組が何か気になります。もしかして美の壺ですか?それなら見たことあるのですが、違う番組だったら再放送でも見てみたいなと思っております。
番組名をご存じでしたらお教え頂けますでしょうか。
Posted by はらはち at 2013年05月14日 22:55
訂正
ヒラシイノミと書いたのはクロヒラシイノミと書くつもりで間違えました(>_<)

マダラヒラシイノミは文献によっては八重山のみとなっているようですが、分布情報は結構あてにならないので、そちらでもいる可能性は十分あるでしょうね。
わかりにくい文章でスイマセンm(_ _)m
Posted by はらはち at 2013年05月14日 22:59
はらはら さん 

お晩です。 本日、朝から奄美本島の宇検でがけ崩れ発生。
PCがストップして、先ほどやっと開通しました。
本日から、奄美も入梅しました。 来月まで憂鬱です。
畑仕事が出来なくなるのは・・・・アリガタヤ・・余録でしょうか?

<NHK>の件は、ご指摘の通り「美の壷」でした。涎が出ましたね。斉藤 宏氏の「世界の貝」のHPのコレクションは圧巻です。良くもまあ集めたというところでしょうか。私の知人も相当なコレクションを持っておりますが、<斉藤氏は億単位の投資額だ>とか!言っておりました。

いつも思うのですが、西表島、小浜島、石垣本島、黒島は本当に憧れます。沖縄は先島にも近く、沖永良部にも近いので羨ましいですね。
Posted by 奄美ちゃん奄美ちゃん at 2013年05月15日 21:31
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