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2013年05月05日

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021



サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記

                    -21

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


 ゴールデン・ウイークも後半に入ってきましたが、なかなか貝の整理は思うように進捗しません。貝の整理よりも自宅の農作業の方が大事だからです。ちょうど春の野菜の植え付けのころ。安納芋というサツマイモの植え付け、ナスやキュウリ、キャベツ、アスパラ etc

ゴールデン・ウイークに3回ほど浜にはいり、貝殻採りや拾いをしました。でも、ホームランは有りませんでした。海が荒れた日がなかったことと、海中に潜らなかったことからでしょうが。
     

           

        サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


写真の貝は3回の貝の採取の成果の70%位・・・後は生貝は水槽の中と漂白液の中でというわけ。 種類別に分けるとそれなりにあるんですが。

           


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021



            
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


            
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


その中で今回は珍しいものからご覧ください。大島海峡の<芝>という珊瑚砂の美しい海岸で、何の成果も無く不貞腐れていたとき拾った貝

殻表面・横から撮影 
               
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021 
         
 殻の裏側
                           殻の正面                 
    
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021     サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021

初めは貝殻の上の方が破損したのかと思い、いったい何の貝の壊れたのかと思い拾ったのでした。まるで私の被っているシャッポと同じ形と色合い。 殻径35mm。うちへ帰って不貞寝してPM21時ころ床から起きて、PCのスイッチON。 沖縄の方のブログを検索しましたら、偶然にこの貝が掲載されておりました。 れっきとした貝でした。 珍しい貝の部類に入るとか・・・・へ~ツ (^-^)
Cheilea cepacea (Broderip, 1834) (Broderip, 1834)
和名Japanese nameCommon nameフウリンチドリFUURIN-CHIDORI

フウリンチドリは数種類あるのですが、その中の<チリメンフウリンチドリ>のようです。
西表島貝殻館」参照

チリメンフウリンチドリ
縮緬風鈴千鳥
スズメガイ科
Cheilea hipponiciformis
ケイレア ヒッポニキフォルミス      
                      貝の裏面

                      サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


貝の裏の欠けたように見える突起がチェックポイントですね。短気を起こして捨てなくて良かったですね。

先日、徳浜というリーフで拾った、ヤドカリ入居中の<スイジガイ>。現在、水槽の中を歩いております。


                       サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


例の奴ですね。 ヤドカリの足が見えてます。
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


続きましては珍しい貝という方ではないのですが、大島海峡側に偏って見られる感じがあります。
西表島では干潟と汽水域の貝だそうですが、加計呂麻島では砂浜で打ち上げられております。沖縄方面から流れて来るのでしょう。


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


 右側 2個
クロヒラシイノミガイ       
黒平椎の実貝
オカミミガイ科
Pythia pachyodon
ピュティア パキュオドンicon189                                                  マダララシイノミガイ
斑平椎の実貝               
オカミミガイ科
Pythia pantherina
ピュティア パンテリナ
           殻長・30mm位の小さな貝ですが、形の割には大きな歯が見えます。          

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021

 
続きましては先にも出てきた<スイジガイ>の幼貝・80x65mm 磨耗も無くとても綺麗ですね。
 

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021



下の写真は同じスイジガイを成貝・小型の成貝・幼貝(上記の貝) を並べたものです。不思議なのは右端の幼貝と隣の成貝の殻の大きさが同じというか、幼貝の方が大きいのです。このようなアンアンバランスなものが数多く見られるのです。

スイジガイの種類の相違なのか、地域差なのかは不明です。いずれも加計呂麻島周辺で採取したものです。


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021



下の写真は同じアクッキガイ科の<クモガイ>の成貝から幼貝の例です。この例はバランスが取れていますが、かなり大きな幼貝も見られますし、また逆に小さな成貝もありますね。少し研究してみる必要ありでしょうか。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


左がクモガイの幼貝、右がスイジガイの幼貝
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さて、次は
下の写真の小さな穴・・・結構これが多いんですね。<ツメタガイ>という貝の仕業です。貝の中には肉食の貝が生息しております。


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021

 
50~80mm程度の貝です。これが他の貝を襲うわけです。貝を抱き込んで歯舌と酸で穴を開けて捕食するそうです。被害を受ける貝は意外と多いですね。
 
                          ツメタガイ
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021


この他にアンボイナやタガヤサンミナシというような、人間でも殺してしまう怖い奴がおります。イモガイの仲間は大体毒があるそうで、強弱の程度でしょうか。窄まった部分は持つとき要注意ですよ!・・出てきましたね (^~^)

左・アンボイナ/90mm  右・タガヤサンミナシ/70mm
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記-021

実際の海中での様子が分らないので、怖いですね。 加計呂麻島でも死亡者出ております。陸上は毒蛇・・マムシやハブ。 海中は毒貝。海蛇も相当なものらしい。
 

本日はこの位にしておきます。貝の処理が出来ましたら続いてご紹介しましょう。

番外編 ・・結構浜に打ち上がっております。釣り針が危ないのですがね~。
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Posted by 奄美ちゃん at 16:38│Comments(2)貝採集日記
この記事へのコメント
茜ちゃんさん、こんにちは。
採集お疲れ様でした。
ヒットなしとのことですが、私から見たら垂涎ものがゴロゴロ。
イボソデをいくつも拾われてますが、私はまだ口の欠けたのしかもってないですし(T_T)、アンボイナも上等品ですね~。
チリメンフウリンチドリも殻径35mmとは立派な個体ですねΣ(゚д゚ )。そんなに大きいのはもってないです。

マダラヒラシイノミとクロヒラシイノミは要注意です。
実はクロヒラにもマダラにも黒一色のヤツやまだら模様のヤツが普通にいるそうです。
模様では見分けられないみたいですね。
区別するポイントはマダラヒラシイミでは周辺にシワがたくさんあります。シワがないとクロヒラになります。
口の中の歯の形状も違いがあり、マダラの方はクロヒラにくらべ発達が多少貧弱になります。
マダラヒラシイノミの分布は八重山以南(沖縄島は絶滅)とのことなので、そちらで拾えるとなるとクロヒラなのかなと思います。

ご存じかも知れませんが、鳥羽水族館の貝類ギャラリーはマダラヒラシイノミのシワの感じもわかりやすいです。
比べてみてください。http://www.aquarium.co.jp/shell/gallery/index.html
Posted by はらはち at 2013年05月06日 11:52
はらはら 様

やっと、ゴールデン・ウイークも終わりました。
ご苦労様でした。
月末付近の大潮がまた、楽しみです。
<チョウセンフデ>や奄美近辺独特の大物(マンボウガイ、トウカムリ)があるのですが、これを採取したいですね。潜ったことが無いのでチャンスを逃がしているのかも。

<イボソデ>は内緒の場所がありまして(漁師の家の裏の海岸)、そこは磨耗なし、欠けなしの完品がごろごろ。偶然見つけたのです。
<クモガイ>、<イボソデ>、<オニノツノガイ>はここで調達しました。確かに加計呂麻のその他の海岸では、まともなイボソデは手に入りません。欠けたり磨耗したりと・・<サツマツブリ>の長さ200mm級のが玄関の傍の地べたに刺してあったのには驚きました。その内一本持参で伺おうと思います。漁師と仲良くなるのが良いそうですね。セミプロの知人の入知恵でした。

貝拾いの1年生ですから、沖縄や先島諸島の方が、もっとすごいと思い込んでいます。加計呂麻島は良い方なんでしょうか? 「灯台元暗し」かな。

<シイノミ>も結構奥が深いんですね。ありがとうございます。
20個ばかり持っておりますの、早速調べてみましょう。
今後も宜しくお願いします。 勉強になります。 (^-^)
明日から勤務がんばってください。
私は<サツマイモ>の植え付けです。自家栽培ですから。
Posted by 奄美ちゃん奄美ちゃん at 2013年05月06日 14:19
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