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2013年03月09日

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9


 
サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記    
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サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9

              太平洋岸 花富
                                              
             サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 


 連日、晴れの日が続き、乾燥注意報が発令されていた空模様が、にわかに怪しくなってきました。
来月ともなると、いよいよ大潮の季節。
昼頃に海面がマイナスになる干潮の日は、潮干狩りのチャンスです。
近在の子供、親子がそれぞれのいでたちで、三々五々珊瑚礁のインノーと呼ばれる、
浅瀬に向かっていきます。

大型の貝・<スイジガイ>、<クモガイ>やきれいな宝貝を生きたまま捕獲出来ます。
筆者は水槽を3つ持っているので、出来るだけ生きたまま持って帰り、長く飼ってみて生態を観察します。


水槽の中には<オオベッコウガサ>、<ホシキヌタ>、<マガキガイ>、<ウズイチモンジ>などが見えてます。

            サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9

 貝殻は落ちている貝を無数の石や瓦礫や砂地の中から、瞬時に目の高さで好みのものを選ぶ楽しさがあります。
ほとんどの貝は欠けたり、磨耗しすぎたり、貝の表面の色模様があせてしまったりで、
なかなか選定基準に合うものは有りません。数kmも歩いて、1~2個くらいしか拾えないこともあります。

<イチモンジ>が水槽の壁面に引っ付いておりますが、このような姿は水槽ならでは・・触覚が見えてます。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 

海岸の岸を歩いておりますと、生魚が打ち上げられてることが有ります。
喉元を他の魚に襲われていたらしく、内蔵は有りませんでした。
生きはいいのでそのままっ持ち帰り、夕食と相成りました。
ご馳走様でした。 (^-^)

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  これは何だと思いますか?・・・貝が落ちているように見えますが・・
実はこれは、ヤドカリ達の集会でした。何か相談事でもあるのでしょうか。
ヤドカリは不思議な感覚を持っており、人間が見た目に美しいと感じる巻貝に、入り込む性質があります。

ですから、一時家に持ち帰り、水槽に入れて別の貝に住み替えて、空き家になった時に水槽から回収します。
磨耗が少なく、珍しい巻貝は大体そのような感じになります。
ヤドカリの世界では予想外に住宅難なのですよ。       
             
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ヤドカリの集会の際のお家の争奪戦です。結構自然界は厳しいですね。

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ある日のこと、数分自宅のそばの海岸を散歩すると
何個かの貝が落ちていました。
<ヘビガイ>、5個の巻き貝、あまり落ちていない珍しい<ナデシコ>。

貝は毎朝夕の潮の道引きで一旦浜がクリアーになります。
ですから、今日は何にも落ちていなくとも、次の日はどうなるかはわかりません。

海が荒れた日の翌朝は、期待が増します。
何が落ちているかは、意外と予想出来ないのです。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 

<ナデシコ>はよく観察すると、<ツメタガイ>という食肉貝に襲われてしまったようです。
貝の殻の身の上の部分に、小さな穴が開けられておりました。
貝を特殊な体液で溶かしながら、穴を開け、貝の中身を溶かして食べ殺してしまうのです。

                                 サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9


下の写真は、ずべての貝を裏返しにしたもの。 思い思いの姿で転がっています。
1~3cm内外の大きさしかありません。
目線の位置から瞬時に選分けて拾うのです。
市場で買って貝を購入する方たちには味わえない緊張感!


サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 



























筆者のダイニングの中の私設・加計呂麻島研究所内はご覧のとおり。
足の踏み場もないほど貝が箱に入って、整理を待っております。
これでも種類別、科別には整理が出来ていますが、
ラベル付けはまだまだで~す。

サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 

ですから、この貝の中に新種の貝が解からないで紛れて居るかもしれません。
貝は変種や地域差が有りますので、貝図鑑に掲載されていないものも数多くあるのです。
それを、同定するのが貝の蒐集の楽しみです。

学問的に正確に分類整理するのは博物学の大変さであり、また学問をする楽しさでもあります。
鳥や蝶や魚や・・ありとあらゆる自然界の生き物、無生物を対象とする学問分野ですね。
貝は美術的、数学的な美しさを持っている蒐集対象でも有るのですね。


           サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9 

この中にどんな新種が有るのか・・・期待に胸膨らむ一瞬です。

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貝の価値はその人その人で皆違いますが、一応市場価格はあります。
時間によっても変動します。昔は数十万(一個)、数百万円もしたものでも、
東南アジアからの流入で、大暴落したものもあります。

でも、今でも貴重なものは百万単位の金額が、オークションで付くそうですね。
もともと、「貝」は貨幣でしたから。
下手なデザインの金属貨幣なんか、及びも付かない美しいものです。
同じものがないというも、貝の性質です。

            そんなに集めてどうすんの?                                                 サワラちゃんの加計呂麻島・貝採り日記9
 

世界中で約10万種類、日本国内で7~8000種類、奄美海域で4000種位とされています。
絶対量は年々減少はしていますでしょうが、世代交代で新しく生まれてきますので、
皆さんで大事に保護しながら・・・・
特に死んだ貝の蒐集は自然破壊はありませんから大丈夫ですよ!

  本日の一品・・<オオイトカケ

加計呂麻島でも思わぬところに落ちていました。左側の中位の貝。
でも,拾いでは奇跡的ですね。 以後。一回もなし。
黒く見えるのは貝の蓋です。
これが有ると無いのでは貝の価格が違います。
昔はこの貝は珍品の部類でした。 大・・5.5x3.5cm 中・・3.5x2.0cm
一個数万円もしたそうです。今でも日本産は高い値段がつくそうです。

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Posted by 奄美ちゃん at 06:46│Comments(0)貝採集日記
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