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2012年04月06日

奄美ちゃんの加計呂麻日記-026

奄美ちゃんの加計呂麻日記                                         
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奄美ちゃんの加計呂麻日記-026 

加計呂麻島から大島海峡を隔てた奄美大島はこの所<黄砂>にけぶってかすんで見える日が多いです。季節が大きく変ろうとしているのが解ります。 もう直ぐ梅雨に入るんでしょう。今年の梅雨はお手柔らかにお願いしたいと思います。

奄美ちゃんの加計呂麻日記-026

先回、途中で「広中 平裕」、ルパート・シェルドレイクへ話が移っていく途中で、突然、ランス語系の話に入り込みまして失礼しました。 世界中にどれ位言語があるのか知りませんが、英語を中学校(あるいは小学校から)から6年から10年程も学んできたにも拘らず、ロクニ英会話もままならない日本人は私だけではないでしょう。

 以前、東京の銀座の地下鉄の入り口で、アメリカ人と思しき老夫婦に「有楽町へはどのようにして行くのか?」と呼びかけられ、戸惑った事があります。相手の言うことは理解できるのですが、返事がなかなかスムースに会話にならない。「え~と」なんて言って誤魔化しながら頭の中で文章を作ってみる。

その内にお婆ちゃんは待ちかねた挙句、「アンタ、英語解るんかね?」と来ました・・・・日頃、英会話なぞ経験が無い者は急には返答できぬもの。 そんな程度ならアメリカ人の数歳の子供の方が上手く受け答えできる。外国語の会話は日頃の経験が物を言います。皆さんも経験あるでしょう。文法的に正しく話そうとするからでしょう。ブロークン・イングリッシュの方が気が利いている場合が多いのじゃないでしょうか。

 私たち日本人の英語力は文語文で、口語文は不得手。比較的後になってやっと会話文が教科書に掲載されるようになりました。 私のお爺ちゃんが初めて習った英語は「Jack & Betty」の英国英語。 少し程度が高かったとか。 その後、アメリカ英語に教科書は変更になりました。 英国英語つまりクイーンズ・イングリシュは正統派の英語というのが通り相場。 米国英語はローカル・イングリッシュ。戦争に負けたのが運の尽きか・・・・・(^~^)


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 戦後吉田茂内閣の対GHQマッカーサー司令部の交渉役がかの有名な「白洲 次郎」氏。この方はケンブリッジ大学出身。当然、クイーンズ・イングリッシュはお手の物。交渉方法も英国仕込の英米法を屈指した交渉方法でガンガンやるものだから、連合軍司令部の幹部も押されぎみだったそうです。 アメリカ人にとってクイーンズ・イングリッシュには劣等感を持つらしく、白州次郎氏の英語にはどうも敵わなかったようです。

マッカーサー
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時の民生局長「ホィトニー」に<あなたの英語はお上手ですね~>と言われると、
あなたももう少し英語を勉強されるとお上手になれますよ>とやり返したとか。
これにはホィトニーも<ギャフン!>となったとか。羨ましい話です。

 吉田茂 元駐英大使、戦後内閣総理大臣になりサンフランシスコ講和条約に調印した人物。神奈川県大磯の別邸は白洲家の父の関係から来るもの。 現在の国会議事堂付近一帯は以前白洲家の所有地で、これを売って、大磯付近に移住したものです。 

吉田茂 氏              白洲次郎 氏
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  GHQ  連合国軍最高司令官総司令部の略語表記・・・最高司令官・マッカーサー
  
 私のお爺ちゃんも子供の頃、英国のグラスゴーの女の子と英語で手紙をやり取りしていたそうです。その時「ビートルズ」が英国内で流行し始めた頃で、盛んに彼女がそのことに付いて書いてくれるのですが、「ビートルズ」の意味が解らず、困ったことが有ったそうです。

随分後になってからその意味が解ったそうですが。その時、やり取りした手紙の中で、彼女に「あなたの英語は上手いですよ」って、書いて有ったとか。 つまり、文章英語は日本人は理解し書けるんですが、会話は如何せん駄目なんですね。


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 ある日本の学生がフランスに留学して、フランスの家庭にホームステーしたのですが、フランス語が上手くないものですから、そこの家の子供に散々馬鹿にされていたそうです。それで、或る時彼はフランス語で文章をしたためて、そこの家の奥さんに渡したとか。

そうしたら、奥さんは子供に説諭・・・・・あの人は無口なだけなの。余りお話は好きで無いだけなのよ。 彼を馬鹿にしちゃいけませんよ!・・・・・

つまり、彼のフランス語の文章を読んで彼のフランス語の実力が解ったというわけ。それで子供に上手に注意したということ・・・・・彼女も流石ね・・・

文章を書くということと、話すこととどちらが上なのか・・・・

 弘法大師空海が唐の国に渡った時、暴風雨に会い遥か南の方まで流されました。
やっと、中国の地に辿り着いたのですが、付き添った役人の中国語のレベルでは相手にされず、とうとう空海が文書をしたためて中国の役人に渡したところ、突然態度が変って丁重にもてなされ、めでたく長安まで送られたとか。 空海の達筆な素晴らしい中国語の文章に、中国の役人もビックリ仰天したのでしょう。・・・・・空海が日本に帰るとき「真言密教」の奥儀を中国人には与えず、空海に伝授した密教の住職の眼力は大したものですね。さすが!

会話に不得手な方々・・恐れるに足らず・・・語学力の真価は文章力ですぞ!・・・・・


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 とか何とか言って、先日のお話の続きをしなければなりませんね・・・・ある叔父さんの語学修行記で~したね。・・・東大の教科書をドイツ語、フランス語、イタリア語、英語と挙句の果てにラテン語の辞書と教科書(神田外語大)、古典、現代ギリシャ語、ポルトガル語の学習書を買ってしまいましたと言う話でしたね・・・・

 この際自慢のような話は不要ですので、中学・高校のお若い方に有意義と思われる点だけご紹介します。語学は結構、能力差が出てくる学問ですから、参考になる部分は自分なりに工夫してみてくださいね。

A-ドイツ語・・・
 ドイツ語の教科書のCDを聴きながら、教科書に眼を通したのですが、そのCDを吹き込んだ教官の読む速度の速い事、はやいこと。 超特急列車並み。はじめは全然付いて行けませんでした。ところが教官が変ってオーストリア人に代わったところ、突然スローダウンしました。後でわかったのですが、ドイツでも場所によってスピードがかなり違うとか。北部に行くほど速くなり、南部のオーストリアはノンビリ話すそうですね。それから少し訛りの様な癖が有ります。聞きずらいような感じですね。兎に角、ドイツ人は早口みたい。 ドイツ語の発音は特に難しく有りませんので、馬鹿にしたのがイケナッカッタ・・・・・とか。

ドイツ語の教科書「Horizonte」、「Prismen]奄美ちゃんの加計呂麻日記-026


B-イタリア語/スペイン語・・・
 読むだけでしたら(文法は別ですよ)特殊な読み方は余り無いので、東大の教官のCDの速さではどうと言うことも無いですね。ラテン語に移るときも楽だと思います。殆ど同じ文章で、意味も同じというパターンが結構多いので、並行して学ぶのも良いのかもしれません。
でも、将来オペラなどの音楽の道に進みたい方は、絶対にイタリア語ですよね。

C-ポルトガル語・・・
 スペイン語とかなり似ていますので、イタリア語よりも学びやすいかも。ただ、発音にちょっと癖がありますので、他の言語を話すときそのことが少し影響しやすいので注意が必要です。簡単な例は<音>で表すと 「し」と「ち」の濁音じ、ぢですね。今の日本人でもなかなか言い分けられないと思います。

でも将来のことを考えると、スペイン語、ポルトガル語は絶対必要な言語だと思います。
スペイン語・・・南米の殆どとアメリカの南部では(特にフロリダあたり)スペイン語が英語より優勢にになって来ているとか。
ポルトガル語・・・ブラジルが将来経済大国になるそうですから、中国語を学ぶよりも大事かな~。

イタリア語の教科書・・Piazza    スペイン語の教科書・・Viajeros      ドイツ語の教科書・・Horizonte
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D-フランス語・・・
兎に角一番往生したのがこの言語。 はじめは全然付いて行けませんでした。速くもないんですがね~。 教官が変っても相変わらずどこを読んでいるのかワカラナ~ィ。 2~3個の単語を一単語のように発音するので、これには参りました。
慣れるしかありません。 でも、女性の教官が読むフランス語の文章を眼を瞑って聴いていますと、まるで音楽を聴いているような感じ。 うっとりしちゃいます。フランス映画を見ているような感じ。これに大学生はオリエンテーションの段階で騙されるんですね。きっと。

でも、すこし経ってから考えると、フランス語の単語は英語よりも素直な言語(発音)だとわかります。基本的にはローマ字通りに読めばいいんですから(少しは違うことも有りますが)
それに引き換え、英語の発音は出鱈目・・・(ご免なさいね!)


英語の教科書(第2学年用)・・「Expanding Ⅱ」
フランス語の教科書・・「Passages,Promenades」
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E-英語・・・
最後に英語。東大のCDを聴いてて感じたこと。大学の語学の外国人の先生でも、結構上手、下手が有る。 英語をいろいろなメディアを通して聴き慣れているからでしょう。 英語は別なCDや媒体を使ったほうが良いかも。 話している意味が解らなくても上手、下手はすぐ解るもの。


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 CD語学の学習で共通して言えることは・・・・

- 英語など特にそうですが、和製英語の発音が正しい発音の邪魔をしている場合が多いですね。 実際に教科書の単語を目で追いながら、CDの正しい発音を聴くと、何でもない簡単な単語を出鱈目に発音していたり、思いもかけない誤りを発見する事が多いです。

 OIL・・<オイル>なんて発音しても通じませんが、意外と正確な発音を知らないで居る場合が多いですね。因みにこの場合は耳で聴くと<オエオ>と言うように聞こえます。 また、微妙な発音の単語の読み方は実に参考になります。また、ドイツ語の発音と英語の発音をちゃんぽんにしている場合があります。戦前のドイツ文化の吸収が影響している場合が有ります。<virus>はドイツ語の影響で随分最近までヴィールスと発音していました。最近はウイルスとラテン語読みをしますが、英語発音でバイラスでも良いわけで、このような単語の読み方に気が付きます。簡単な単語ほど要注意ですね。

2-文章を読むに当っての抑揚、息継ぎの場所などは大変に参考になります。読む人によって若干癖が出るでしょうが、意外と間違って覚えている場合が多いですね。抑揚などは上手、下手がハッキリ出てきます。感心する場合が結構多いものです。日本語でもそうですが、文章の朗読は難しいものです。詩などはその際たるものです。


3
-NHKの海外放送の生番組(時事ニュース・BS)を視聴するのが非常に良いと思います。はじめは聞き取りにくくても次第にCDに慣れてくると、違和感がなくなります。文字も画面に出ますし、後で述べる理由もあって、結構理解が出来るようになります。細かい事までは無理ですが、英語の力がここで発揮されます。その時に英語、フランス語、スペイン語など3ヶ国語を続けて視聴しますと、同じ内容が多いので大変に参考になり、後ほど良く分かります。そりゃそうでしょう、内容が既に大体解っているのですから。

4-「東大以外で教科書は買えないのか」と言う方が居るとも思います。東大の様に通信販売が利用できる大学は少ないと思います。大学の学生科に問い合わせしてみてください。因みに、国立大学などの場合、学生専用の売店(購買)に行って直に買う事ができます。学生の中には叔父さん、お爺さん、伯母さん、お婆ちゃんも居りますから一緒に行ってもらえれば大丈夫です。帰りに食堂に行って安くて美味しい学食をどうぞ!

5-インターネットでの外国語講座は各外国語大学や東大でもやっております。特にお勧めなのは東京外国語大学です。会話、文章の2方向で習得できます。文法などはインターネット上のテキストをコピーすればよろしいです。そして、自分にあったレベルを選択することが可能です。しかし、イタリア語講座は有りません。東大はOKです。どうしてなのかな??


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偉そうな事を言った序にもう少し・・・

 正規の外国語の辞書の他に、日本語&英語&外国語のポケットサイズのものを買われた方がよろしいと思います。すこしばかり英語を学んでいると、フランス語でもイタリア語でもスペイン語でも教科書の中に英語とほぼ同じ単語が何箇所も出てくることに気が付きます。英語の歴史的発展形態からくるもので、単語の語尾がちょっと違うだけの単語が結構有るんですね。意味も殆ど同じ場合が多いです。 ですから、文章の中の数個~十数個の単語を組み合わせて、この文章が何に付いて書いてあるのか、ある程度察しが付くと言うわけです。
特に専門用語はその傾向があります。政治経済用語などは顕著ですね。英語の得意な方はより理解が速くできる・・・・・推理しながら学ぶと意外と面白いかも。

  デイリー・・・XXX辞典        日・独・英と独英    
 
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 以前、言語学の天才みたいな方の言葉を思い出しました。「兎に角、英語を徹底的にやりまさい。その力が他の言語を学ぶのに必ず役立つ。そして、世界史も学ぶ事」・・・・・今にして思えば名言です。その通りだと思います。この方は旧帝大系の大学を首席卒業の方で、当時、12ヶ国語をマスターしておりました物凄い方。独英、仏英、西英辞典の利用は英語力の習得向上にも繋がるそうです。

* 旧帝大 戦前の学校制度の帝国大学で、現在の北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学で7帝大と言われてました。(日本以外では京城大学<韓国>、台北大学<台湾>がありました)

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 この叔父さんは外国に旅行する予定も希望もない事から、読み書きの外国語を会話より重要視している発言が目立ちますね。でも、実際のところ、会話を本当に必要な人はどれ位いるのでしょうか。やはり、読み書き重視の傾向は今後も続くと思います。日本語でも文章を書くのは難しい。そして、その文章でその方の大方の実力が解ります。

 文化人類学的に日本語は朝鮮語と同じく孤立語と云われ、全世界で1億数千万人程度しか使われていない言語です。そのような国民が他の多言語を習熟する難しさが有ります。ランス語系言語、ケルト語系言語、スラブ系言語etcといっても、所詮は「インド・ヨーロッパ語族」に属します。学びやすい筈です。でも、中国人の語学修得能力は結構なもの。

*インド・ヨーロッパ語族  ヨーロッパ諸国、スラブ諸国、インド周辺の言語を含む非常に幅広い言語の集団を意味します。 日本語、朝鮮語、中国語などはどれにも属さない孤立語です。
以前までは日本語はウラルアルタイ語族とされていましたが、最近は学問的には認められておりません。

或る時、ある国立大学での話・・・・・ある方が大学院の経済学研究科の財政学のコースで学んだ時の話。

 オリエンテーションの際に自己紹介がありました。 その前に何人かの外国からの留学生が居るのは気が付いていました。 その中に一人の日本人らしい若い女の方が居りました。とても綺麗な言葉(日本語)で友達と話しており、感じから結構家柄の良い方と見受けました。当然、彼女を日本人と思ってました。姿かたちも日本人でしたから。自己紹介をし始めてからビックリ仰天。

 「わたくしはこの度北京大学から留学して参りました「王(ワン)XXX」です。・・・・・・よろしくどうぞお願い致します
   
後で、彼女に聞いてみたそうです。<何処で日本語を習ったの?>答えて曰く、「日本の商社マンの奥様からです」って。 それですこし戦後直後の<原節子時代>の綺麗な喋り方だったんだという事がわかりました。とにかく素晴らしい日本語に脱帽。中国の人は語学力があると聴いていましたが・・・納得したそうです。・・・・・やはり、国民性も有るのかな?

まあ、そんなこんなで、今日も言語の話。私は語学や言語学には素人ですから、今日でこの手の話は終わりにします・・・・・そのうちボロが出たら大変!!

さて、次回からは本当に「広中 平裕」先生とルパーク・シェルドレイクの「形態形成場と行動の変化」という事を書いてみたいと思います。記憶のメカニズムに付いてです。ちょっと、聴きなれない擬似科学的な珍しい話になると思います。

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姉妹ブログのご紹介・・・少しかわりました!

1-
サワラチャンのビーチ・コーミング貝の採集日記
http://blog.goo.ne.jp/sawarachan
 
* 過去のブログはseesaaネットで公開しています!
http://sawarachan.seesaa.net/?1323474267 

2-<白洲正子著作集・読書日記>・・・・・白洲正子様の著作集を読んで創作日記風に・
http://shirasumasako.blog.fc2.com/

3-<日本の伝統芸能と芸術>・・・・・・・・・・能面と能楽について  
 http://blog.goo.ne.jp/nippondentougeinou



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Posted by 奄美ちゃん at 04:30│Comments(0)
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