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2012年02月24日

奄美ちゃんの加計呂麻日記-019

奄美ちゃんの加計呂麻日記                                         
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奄美ちゃんの加計呂麻日記-019


最近は暖かい日が続き、最高気温が23℃と云うこともあります。北海道から九州までインフルエンザが猛威を振るっております。ヨーロッパは大寒波。
国立感染症研究所の2/22の発表では、全国の罹患者は175万人と2週間連続の減少を見ています。全国で39都道府県が赤の警戒となっております。

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九州地方は長崎県以外が赤の警戒警報となっており、先週より悪化しています。インフルエンザが日本列島の外側へ蔓延してきている事が分かります。


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さて問題の鹿児島県は種子島が黄色に変りました。加計呂麻島は離島。フェリーが毎日就航しています。白は奄美大島、加計呂麻島のみ。 経験則から風邪は後に感染するほど症状が重いことが多いです。皆さん人ごみには行かず、治まるまで派手な行動は慎みましょうね。発症したら自分が一番困るだけでなく、家族や他人に迷惑を掛けます。

2月はお葬式などが通常より多いのも事実。必ずお通夜や葬式には厳重にマスクをして出かけてください。チョッとした気の緩み、油断が命取りになりますよ。icon43


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icon149         <<免疫-03>>


先回まで2回に渡って、免疫に付いてお話して来ました。icon170

1-<感染と発症の違いと免疫  2-<非感染性疾患と感染性疾患

ちょっと、一般的な事でもないので少し難しかったと思います。
大学、高等学校で生物を履修した人や、基礎医学の初歩を学んだ方にとっては、取っ付き易かった事と思います。でも難しいことは横に置いて、免疫が人間にとって如何に重要な働きをしているか、あるいは、思いがけない病気に免疫が原因となっている、こんな事を知っていただければ結構です。

アレルギー疾患は現代病の代表的なもので、春が近づくと憂鬱になる<花粉病>などは、昔は余り無かった病気ですが、最近非常に増えています。
食べ物の中の化学薬品、清潔にし過ぎる家庭生活など、思わぬことが免疫力の低下を生み出しているようです。

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女性特有の卵巣癌、子宮癌、乳癌などは、ホルモン、サイトカイン、免疫という3要素が複雑に絡まった疾患でもあります。免疫学は発展途上の学問で、未だ細部まで解き明かされておりません。

日本はこの分野で先進国で、有名な学者を多数輩出しています。初のノーベル生理医学賞の利根川 進 氏は特に有名ですが、毎年、候補に挙がる学者の中にはこの免疫学の学者が多いのも事実です。前の大阪大学の学長の岸本 忠三氏はこの分野で世界的に有名です。(感心のある方は、図書館で「BLUE BACKS」という本のコーナーが有ります。その中に現代免疫物語、新現代免疫物語があると思いますので、探し出して読んでみるのもよいかもしれませんね
そして、何時もノーベル賞候補に挙がる方がもう一人大阪大学に居られます。今年はどうでしょうか。期待したいですね。京大の山中教授と共に。


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免疫はアレルギー、癌、関節リューマチ、風邪などに関係があるという話をしましたが、免疫力を弱める一つの原因に「ストレス」が有ります。
経験則で<ストレス>の強い生活を送っていると、病弱になり易いことが解っています。
何故なんでしょう?・・・・今回はこの点に付いてお話してみましょう。

脳からはストレスに反応してステロイドホルモンや神経伝達物質が分泌されます。これら脳から分泌された成分は、リンパ球や細胞の働きを低下させるのです。動物実験によってこれらが実証されています。また、精神的にストレスを受けた方の方が、風邪を引きやすいと言う事も解っています。

先回、ホルモンと免疫は非常に関係が深いという話をしましたね。神経伝達分質は<サイトカイン>と理解されて結構です。ちょっとしたことで、デリケートな身体のある部分の細胞が大きな影響を受けて、正常な量のホルモンを分泌できなくなりますと、免疫がグーッと落ち始めるのです。「心配しすぎると病気になる」という経験則は正しかったのです。
ですから、明るく笑って朗らかな生活をしなければなりません。下を向いて、暗い顔をした生活はいずれ自分を病気の生活にして行きます。


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先程の<デリケートな身体のある部分>・・・・・とは、頭の大脳の下にある「視床下部」と言う部分です。大脳は人間の生活にとって、非常に大切なことは言うまでもありませんが、大脳の下にある、小脳、延髄などという自分では制御できない、より根源的な脳の機能。つまり本能的な行動を司ります。 息をしたり、心臓を鼓動させたりなど、生きて行くために絶対必要な部分で、致命傷になりやすいとても大事な部分です。


  *  慶応大学の文献よりお借りしました、脳の簡略な構造です。奄美ちゃんの加計呂麻日記-019

蕁麻疹>を例にとって、お話を再現して見ましょう。

何方でも一度は<蕁麻疹>に罹ったことはあると思います。あの、<カユ~イ>奴です。全身にブツブツが出てくるあれです。

この病気は勿論アレルギー疾患であることは常識です。 この疾患は<副腎皮質ホルモン>の分泌が上手くいかなくなった時に発症する病気です。

副腎皮質ホルモンは視床下部のなかの下垂体から分泌される<副腎皮質刺激ホルモン>によって、体内の<副腎皮質ホルモン>はコントロールされています。(副腎皮質ホルモンは臓器の中の「副腎」が分泌します)


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ストレスの影響が副腎皮質刺激ホルモンを通して副腎皮質の機能に少なからずの影響を与えていると云われます。
ストレスが加わり続けると、副腎の機能が低下するのです。低下すればホルモンの分泌量も減少します。これによりホルモンの分泌バランスが崩れるのです。この結果現れた身体への障害が蕁麻疹なのです。



このブログは医学の講座ではありませんから、専門的な免疫とホルモンのメカニズムまでは立ち入れませんが、いずれにしても、ホルモンと免疫、免疫と疾患は物凄く微妙で、大事な関係があるということが解ったいただければ結構です。
詳しいことは先の岸田先生の本などをお読みください。


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奄美ちゃんの加計呂麻日記>は最近、医学・生物学講座になったようですね。でも、専門のレベルはこれよりも遥かに遥かに高いのです。これをご覧になっている若い方々の中で、感心がある方は是非基本書を丁寧に読んで、基礎学力を付けられて、大学の医学部や関係学部に進まれてください。
日本のこの分野のレベルは世界のトップレベルに達しています。毎年、ノミネートされるノーベル生理医学賞の候補には、免疫学者が必ず入っております。過去から実績が日本には有るのですから・・・・

免疫学は発展途上の学問で、完成された学問ではありません。それだけに大変難しい学問ですが、やりがいが有ると思います。是非、頑張ってくださいね!!!


では、本日はこれでお終~い!!

奄美ちゃんの加計呂麻日記
<アマミン・・・奄美ちゃんの愛称>今、生後4.5ヶ月の三毛猫で~す

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Posted by 奄美ちゃん at 20:50│Comments(0)
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