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2012年02月15日

奄美ちゃんの加計呂麻日記-017




         奄美ちゃんの加計呂麻日記                                         
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加計呂麻の海
奄美ちゃんの加計呂麻日記-017

最近は日ごとに温かみを覚えるようになりましたが、本州、九州方面はまだまだ厳冬の感じです。先日、110万人を突破したインフルエンザの罹患者は210万人を越えてきました。
関西を問わず全国的規模になってきております。

奄美ちゃんの加計呂麻日記-017 


今まで大丈夫だった新潟県もまた同じ。
九州だけを見ても、奄美大島、加計呂麻島、志布志を除いて全て警戒警報です。
非常に危険な状態になっています。でも、もう時間の問題です。
充分に気を付けましょうね。
 


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(2011年第52~2012年4週の5週間では、インフルエンザウイルスの検出はAH3亜型(A香港型)が最も多く、B型、AH1pdm09の順となっている。詳細は感染症情報センターホームページ(http://idsc.nih.go.jp/iasr/influ.html)を参照されたい)

<<インフルエンザと免疫について>>

インフルエンザは毎年型が変化して、いろいろな種類の型の流行が発生します。
上の感染症研究所の発表では、AH3亜型(A香港型)となっています。
インフルエンザはA,B、Cの3型が有るのですが、その内A型が重症化しやすい型です。ですから今年のインフルエンザは重症化しやすく、危険であることが解りますね。


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(参考・・・ある病院のHPから掲載しました、ABC型の分け方)

表の説明で良く分かりますように、A型でも沢山の種類が有ります。
ウイルスの表面には様々な突起物が付いています。その突起物は大きく分けてHとNの種類に分けられ、Hは16種類、Nは9種あります。
・・・・数学の得意な方は全ての組み合わせが何通りになるか解りますね
・・・・<順列と組み合わせ・・昔は数Ⅲで学びましたが・・・・計算してみてください>



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上の表は<ウイキペディア>からお借りした図ですが、赤がH,黄がNの突起を表しています。インフルエンザの大きさは80~120nm(ナノメートル)です。
1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm

突起物は鍵と穴の関係だと理解していただければよろしいです。生物の細胞の中にある核と呼ばれる部分には、いろいろな鍵穴が付いていますが、インフルエンザがその核に取り付いて、侵入するには鍵を相手の穴に差し込んで、核の鍵のロックを解除しなければならないのです。ですから、ウイルスは自分の鍵を様々に変えて、相手の中に侵入するのです。これが感染です。でも、直ぐに風邪に罹る訳ではありません。罹った事を発症といいますが、感染と発症は別のものです。




感染したのに発症しないのは生物の防御機能<免疫>が作用した時です。
昨年流行したインフルエンザに罹ると、今年の同じ型のインフルエンザには感染しても、発症しない場合が多いのです。これは身体に予め昨年のインフルエンザに対する免疫が出来ているからです。



免疫と言う言葉は中学の理科で<ジェンナーの天然痘の種痘>でお眼にかかりますが、免疫と言うのは生物の持っている自分以外の病原菌やウイルスなどの外敵から自分を守る防御機能のことを意味します。

免疫・・・(A)自然免疫、(B)獲得免疫の二つに分かれます

詳しいことは直にお話しますが、自然免疫(血液中に存在する白血球の中にある好中球、及び血液中内の補体マクロファージ)が先ず始めに、外敵である病原菌やウイルスに立ち向かって、相手をやっつけてしまおうとします。そして、自然免疫でも敵わない時は、獲得免疫抗体、リンパ球(T細胞)が病原菌などに立向います。それでも敵わない時には病気の症状が身体に出てきます。これが発症です。

これで、感染と発症が全く違うと言う事が理解できたと思います。ですから、外出時には必ずマスクをして出かけてください。 あなたが発症しなくても、家族が発症することがあります。あなたの免疫力が強くて、外敵に勝っても、あなたの家族が負けて、病気になる事があるのです。

今日の話で、インフルエンザの正体と病気の感染と発症の違いが理解していただけたと思います。次回はもう少し免疫の話をしてみたいと思います。免疫学は基礎医学の中でも難しい学問に相当します。ノーベル賞の生理医学賞には結構「免疫」に関係することが多いのも事実です。昭和62度のノーベル生理医学賞は日本の利根川進先生が受賞されましたが、この受賞理由は「抗体の多様性生成の遺伝学的原理の解明」でした。
先回お話しました<分子生物学>と今回の<免疫>が主要テーマでした。


1987年度ノーベル生理医学賞記念<精神と物質・・立花 隆 著

奄美ちゃんの加計呂麻日記-017

今日は難しい話になりましたが、とても今大事な事ですので、是非理解してくださいね。
今日はこれでお終い!! あ~、チカレタ!!                              


奄美ちゃんの加計呂麻日記
<アマミン・・・奄美ちゃんの愛称>
今、生後4.5ヶ月の三毛猫で~す!        
 
  • * 文中で使われた用語の説明が<追記>にあります。参考にしてね! 
      
  • 奄美ちゃんの加計呂麻日記-017



     

               用語の説明

    1-<亜型>  A香港型(H3N2)などで表示された型を亜型といいます。
    2-<高原性ウイルス H5型、H7型>  この手のウイルスは新型のウイルスで、強毒性で、免疫の全くない人の間で大流行すれば多くの死者が出ると想定されます。今は鳥から人への感染ですが、人から人への感染も間近だとする声もあり、世界レベルでの警戒態勢が続いています。
    3-<ジェンナーの種痘>  現在多くの世界で使われているワクチンの開発に繋がった素晴らしい発見でした。ワクチンに付いては次回以降でお話します。また、インターフェロンもその時に。
    4-<白血球> 血液の説明は非常に複雑なので、今回は簡単にしました。次回以降になるべく詳しく説明します。

    **  先回、今回は全体的に難しい記述が続いております。 基礎医学の素養の有る無しで理解が目覚しく違うと思いますが、要点だけ理解していただければ結構だと思います。詳しく理解したい方は、<生理学>の本などを図書館で参考にしてみてください。



    Posted by 奄美ちゃん at 16:42│Comments(0)
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